コンピテンシー評価について詳しく解説

目次

はじめに

企業が採用する人材のスキルや能力の評価は、人事戦略に欠かせないものです。その中でも、コンピテンシー評価は、従業員の持つ能力やスキルを客観的に評価し、その結果を基に、成長やキャリアアップに向けた具体的なアクションを立てるための有用な手段です。本記事では、コンピテンシー評価の概要、方法、導入のステップ、得られる効果、注意点などを解説します。

コンピテンシー評価とは

コンピテンシーの定義

コンピテンシーとは、「個人が業務を遂行するために必要なスキル・知識・態度・能力・性格などの総称」とされています。つまり、単に「スキル」というだけでなく、それを行使するための姿勢や性格も含まれます。例えば、コミュニケーションスキルだけでなく、相手に共感を持つ姿勢やチームワークを発揮することができる人も、コンピテンシーの高い人材と言えます。

コンピテンシー評価の目的

コンピテンシー評価は、個人の能力やスキルを客観的に評価することで、以下の目的を達成するために実施されます。

・従業員の成長を促進し、キャリアアップに繋げる
・組織のパフォーマンス向上に貢献する
・人材育成・継続教育の計画を立てる

コンピテンシー評価の対象者

コンピテンシー評価の対象者は、主に以下の2つのグループに分けられます。

・新規採用者
 採用前に、採用に必要なスキルや性格を評価するために実施されます。

・従業員
 従業員のスキルや能力を評価し、成長に繋げたり、キャリアアップの道筋を示したりするために実施されます。

コンピテンシー評価の方法

コンピテンシー評価には、以下のような方法があります。

360度フィードバック

360度フィードバックは、従業員自身が自己評価を行うだけでなく、上司や同僚、部下などの周りの人からも評価を受け取る方法です。従業員自身が自己評価を行い、他者からの評価を受け取ることで、客観的な評価を得ることができます。

ビヘイビア・イベント・インタビュー法(BEI)

ビヘイビア・イベント・インタビュー法(BEI)は、従業員が実際に過去にどのような業務を行い、どのような行動を取ったかをインタビュー形式で聞き取る方法です。行動を取るプロセスに着目し、具体的な事例を聞くことで、従業員のスキルや能力を評価することができます。

KPIベースの評価

KPI(Key Performance Indicators)ベースの評価は、業務の目標となるKPIを設定し、それに基づいて評価する方法です。KPIには、売上や生産性などの数字的な目標だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークなどの非数値目標も含まれます。

コンピテンシー評価の導入と実施

導入のステップ

コンピテンシー評価を導入するには、以下のようなステップを踏みます。

目的の明確化

導入の目的を明確にし、評価項目や基準を設定します。

評価方法の選定

360度フィードバック、BEI、KPIベースの評価など、評価方法を選定します。

評価者の選定

評価者を選定し、評価基準を共有します。

評価実施のスケジュール設定

評価実施のスケジュールを設定し、評価期間や評価フォームなどを準備します。

コンピテンシー評価の実施

実際にコンピテンシー評価を実施する際には、以下の点に注意しながら実施します。

・評価項目や基準が明確であること
・評価者が公正であること
・評価対象者が評価の意義や目的を理解していること
・評価のフィードバックが適切に行われること
・評価結果をもとに、具体的なアクションプランを立てること

コンピテンシー評価で得られる効果

コンピテンシー評価を行うことで、以下のような効果が得られます。

個人の成長

コンピテンシー評価によって、個人のスキルや能力の強み・弱みが明確になります。そのため、個人の成長に必要なトレーニングや教育を受けることができ、キャリアアップに繋がる可能性が高まります。

組織のパフォーマンス向上

コンピテンシー評価によって、従業員のスキルや能力のマッチング度合いが明確になります。そのため、適正な業務やポジションに配置されることで、組織のパフォーマンス向上に貢献することができます。

人材育成・継続教育

コンピテンシー評価によって、従業員のスキルや能力の強み・弱みが明確になります。そのため、必要なトレーニングや教育を実施することで、従業員のスキルアップや継続的な人材育成が可能となります。

コンピテンシー評価の注意点

コンピテンシー評価を行う際には、以下の点に注意が必要です。

評価基準の明確化

評価基準は、明確で客観的な基準を設けることが必要です。主観的な評価にならないように、評価基準を明確にしておくことが重要です。

継続的な評価

コンピテンシー評価は、継続的に行うことが大切です。一度評価を行っただけでは、成長の過程で変化することがあるため、継続的に評価を行い、アップデートしていく必要があります。

フィードバックの適切な提供

フィードバックは、適切なタイミングで適切な方法で提供することが大切です。フィードバックの提供方法やタイミングを考慮し、従業員が受け取りやすいように配慮することが重要です。

まとめ

コンピテンシー評価は、従業員の能力やスキルを客観的に評価し、個人の成長やキャリアアップ、組織のパフォーマンス向上、人材育成・継続教育などに役立つ手段です。評価方法としては、360度フィードバック、BEI、KPIベースの評価などがあります。導入する際には、評価基準の明確化、継続的な評価、フィードバックの適切な提供などに注意することが必要です。コンピテンシー評価を適切に導入・実施することで、従業員のスキルアップやキャリアアップ、組織のパフォーマンス向上、人材育成・継続教育などに繋がります。

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