「高い求人広告費を払っているのに、なかなか社労士有資格者や実務経験者の応募が入らない……」 「せっかく面接に来ても、他事務所の『月給プラス〇万円』という条件や、大手コンサルティング会社のブランド力に負けてしまう……」
労務管理の重要性が増すなかで専門人材の需要が高まり、多くの社労士事務所の所長先生がこのような「採用の競争」に直面しているかと思います。「もっと高い給与を提示しなければ人は採れない、しかし自社の規模では限界がある」と頭を抱えている先生も多いのではないでしょうか。
しかし、大手法人や競合他社との「給与額の吊り上げ合戦」に、必ずしも付き合う必要はないかもしれません。
いま、優秀な有資格者や実務経験を持つ担当スタッフ、事務を支えるアシスタントが求人票で本当に見ているのは、目先の給与額だけではなく、「入社したあと、どう評価され、どうスキルを高めて給与が上がっていくのか」という透明性だと言われています。
今回は、「人事評価制度」を事務所内向けとしてだけでなく、競合に競り勝つための強力な「採用武器」として活用する方法をご紹介します。

なぜ給与額を上げても「他社に競り負ける」傾向があるのか?
求人サイトを開けば、似たような条件の社労士事務所や労働法務を取り扱うオフィスがズラリと並んでいます。
- 「月給〇〇万円〜(経験・能力・前職給与を考慮)」
- 「アットホームな職場で、頑張りはしっかり賞与で還元します!」
一見すると魅力的に見えますが、今の求職者は「人に関する専門家」を目指している、あるいはプロとして携わっているため、労働環境や評価システムに対して非常に現実的で、シビアな目線を持っています。「能力を考慮って、入社したあとの昇給基準はどうなっているんだろう?」「結局は所長先生の主観や、担当した売上数字の多さだけで全て決まってしまうのかな?」と、基準の曖昧さに少し不安を抱いてしまうケースも少なくありません。
そのため、もし自社が競合より少し高い給与を提示したとしても、さらに高い金額や手厚い条件を出す事務所が現れれば、求職者はそちらへ流れてしまいやすくなります。
給与の「額面」だけで戦うのではなく、「うちには明確な評価の仕組みがある」という安心感で差別化することこそが、社労士事務所が選ばれるための着実な一歩になるのではないでしょうか。
人事評価制度が「採用の強み」になる3つの理由
人事評価制度を導入し、それを求職者にアピールすることで、採用活動には以下のような好影響が期待できます。
1.「頑張りが正当に評価される安心感」を提供できる
求職者が求めていることの一つに、自分のスキル向上や顧客・事務所への貢献がしっかり還元される環境が挙げられます。求人票や面接の場で「何をクリアすれば、いつまでに、いくら給与が上がるのか」の基準(評価マップ)を具体的に示すことで、「この事務所は自分を正当に評価してくれる」という安心感を持っていただきやすくなります。
2.「自分自身のこれから」がイメージできるため、長く腰を据えてもらいやすくなります
「今の事務所では、毎日の手続き業務や給与計算ばかりで、なかなかコンサルティング領域に関わらせてもらえない」と、キャリアプランに不安を抱えている実務未経験者やアシスタントの方も少なくありません。
だからこそ、入社したあとに「まずは手続き・給与計算業務からスタートして、どんな業務や知識を身につければアドバイザリー業務、さらにはチームを統括するマネージャーへと進んでいけるのか」という道筋を丁寧に見せてあげるのがおすすめです。自分自身の成長していく姿がイメージできるだけで、「ここでじっくり腰を据えて、未来を築いていこう」という前向きな気持ちに繋がっていきます。
3.「成長が目に見えるオープンな組織」として選ばれる存在へ
人事労務という「人」を扱う専門組織だからこそ、求職者からは「制度のプロとして、自社の職員に対する評価も近代的に行われているはずだ」という期待や注目があります。
だからこそ、手続きスキルの習熟度や顧客対応の質、事務所運営(業務効率化や所内サポート)への貢献度がしっかりと数値化・オープンにされている効果は絶大です。「自らも人事制度の良さを体現している、近代的な風通しの良い職場だ」という確固たる安心感を与え、優秀な人材を引き寄せる強力なブランディングへと繋がります。
【実践】求人票の書き方を変えるだけで印象が変わるケースも
人事評価制度を導入したら、求人票の「待遇」や「アピールポイント」の欄に、以下のように具体的に記載してみるのがおすすめです。
❌ 改善前のよくある書き方 「能力に応じて随時昇給あり!あなたの頑張りをしっかり見ています」
⭕ 人事制度を活用した書き方 【明確な評価制度あり/スキルアップに応じてステップアップ!】 当事務所では所長の主観だけで決めるのではなく、実務スキルの習熟度や事務所内への貢献度を数値化した評価基準を導入しています。 (例:〇〇の手続き・給与計算を一人で完結できる+後輩の指導ができる=月給〇万円アップなど) 「何を頑張れば給与が上がるか」が全員に見える化されているため、社歴や実務経験年数に関係なく昇給する社員も多数在籍しています。面接時に実際の評価シートをお見せすることも可能です。
このように記載するだけでも、求職者が受ける印象は大きく変わる可能性があります。「給与の高さ」だけでなく「仕組みの誠実さ」に惹かれて応募してもらえるため、面接時の内定辞退や、入社直後の早期離職を防ぐことにも繋がっていきます。

まとめ:給与額の競争を抜け出し、「選ばれる仕組み」を作りませんか?
他事務所と提示年収を競い合い、高い求人費を払い続ける採用活動は、大手のような体力がない中小の事務所にとって消耗戦になりかねません。
事務所内に「人事評価制度」という確かな仕組みを作れば、それがそのまま他社に真似できない最大の強みになり、「給与額だけで比較されず、自社の魅力で選ばれる事務所」へと近づくことができます。
「そうはいっても、うちのような規模でイチから評価制度を作る時間もノウハウもない……」
そう思われた所長先生、どうぞご安心ください。中小社労士事務所に特化し、現場の職員様が納得するシンプルな評価基準をスピーディーに構築・運用できるパッケージが『JINJIPACK(ジンジパック)』です。
給与額の吊り上げ合戦から抜け出し、優秀な人材に選ばれる事務所づくりを、まずはここから検討してみませんか?


【連載コラム】社労士向け
「せっかく採用したスタッフが定着しない」
「職種ごとの評価基準が曖昧で不満が出ている」
そんな社労士事務所の経営者の悩みを解決するために、社労士事務所に特化した人事評価制度の設計・運用ガイドを全8回にわたってお届けします。

